行政書士の仕事はAIに奪われる?生き残る行政書士になるためには

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モン

1980年生まれ。A型。福岡在住の行政書士。2級FP技能士。
40歳にして脱サラ。令和2年度行政書士試験に合格。2021年5月に「そよぎ行政書士事務所」を開設。
自身の経験をもとに脱サラに悩む30代〜40代を応援したい。
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こんにちは、モンです。

AI(人工知能)の発展によって、現在の仕事の多くは近い将来になくなることが予想されています。

もちろん行政書士の仕事も例外ではありません。

さらに2019年には「デジタル手続法」が施行され、また新型コロナウイルス流行によってオンライン手続きが一気に一般化しました。

本来なら何年もかけて起きる変化が1年足らずで一気に起きたような状況です。

自分で簡単に手続ができるなら、行政書士に頼む必要はないよね。

じゃあ行政書士の仕事に将来性はないの?目指したらやばくない?

と思う人も多いですよね。実際に行政書士を目指している僕もそうです。

今後行政手続のオンライン化による行政書士の将来は以下のように予想されます。

・書類作成や代行などの事務的な仕事は大幅に減っていく
・仕事の依頼は大手の事務所に集中し、個人や小さい事務所は淘汰される

ただし、個人や小さい事務所の行政書士も生き残る方法はあると思います。

・付加価値サービスで差別化する
・大手にはできない細かいサービスやSNSで個人のファンを作る など

今回はAIの発展や行政手続のオンライン化による、行政書士の未来についてまとめます。

AIにより無くなる士業の仕事とは

2015年に公表されたオックスフォード大学と野村総研の共同研究による「AIによる代替可能性の高い職業」における各士業の代替可能性の確率は以下のとおりです。

AIに代替される士業の業務

引用:幻冬舎GOLDONLINE「難関資格の「士業」…これからのAI時代をどう生き抜くか?」

行政書士の代替可能性は93.1%と、士業の中でも一番AIによる業務の代替可能性が高いことがわかります。

士業の業務は、書類の作成作業や提出などの「AIで代替できる業務」と、コンサルティングや人対人の相談対応などの「AIで代替できない業務」に分かれます。

行政書士は他士業と比較して「AIで代替できる業務」が多いのだと思います。

モン
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コンサルティングの「中小企業診断士」や相談対応、弁護手続の「弁護士」はAI代替率が低いのも納得ですね。

デジタル手続法の影響とは

【デジタル手続法】
令和元年12月に施行。行政手続等に係る関係者の利便性の向上並びに行政運営の簡素化及び効率化を図るため行政手続のオンライン化を推進する法律。この法律の成立に伴い、以前からある住民基本台帳法等の一部改正とマイナンバーカード・公的個人認証の利用関係も改正された。

行政手続きは紙からデジタルに

この法律により今までの紙ベースの行政手続きが、デジタルベースでオンライン化されていくことになります。

手続は簡素化され、書類の添付が不要になるなど、行政手続をする個人や企業にとっては大きなメリットになります。

その反面、書類作成や申請を有償で請け負っていた行政書士の仕事は減っていくことになります。

手続のオンライン化

モン
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行政書士にとってはマイナスでも個人や企業にとっては大きなメリットですね。

行政書士の仕事は今後どうなるのか

メディア業界のデジタル化と同じ道を進む

サブスクリプション

行政書士の業界は、今後メディア業界と同じような道を進むと予想されます。

インターネットやスマートフォンの普及により、CDやDVDのパッケージ販売は減り、SpotifyやNetflixなどの音楽や映画をデータで楽しむサブスクリプションが伸びています。

その流れの中で、CDやDVDを販売していた店舗は減り続け、今残っているのはAmazonや大手のショップのみです。

個人店や小規模店舗は淘汰され続けて今ではほとんど残っていません。

僕自身、メディア業界で働いていたこともあり、ここ3、4年のデジタル化の流れの速さは実感として感じています。

行政書士の業界も今後は加速度的に変化していくことが予想されます。

行政書士の仕事は大手の事務所に集約される

AIの発展や行政手続きのオンライン化により、既存の行政書士業務は激減すると思われます。

少なくなった業務は、大手の行政書士事務所に集まり、個人や小さい事務所はさらに仕事を獲得しにくくなることが予想されます。

【大手事務所に仕事が集まる理由】
・行政手続のデジタル化により、”地域”という概念が無くなり全国どこからでも仕事を集めることができるようになる。(集客力)
幅広い種類の仕事を受け付けることができる(商品の多様性)
・業務がシステム化されており薄利多売で営業ができる(価格優位性)
モン
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小さなCDショップがなくなり、Amazonなどの大手しか残っていないメディア業界と同じですね。

個人や小さい事務所の行政書士が生き残るためには

それでは、個人や小さな事務所の行政書士は今後生き残れないのでしょうか。

僕は個人的に、そんなに悲観する必要は無いのではないかと思います。

そもそも今の時代に安定した職業など無い

最初に紹介した、オックスフォード大学と野村総研の共同研究による「AIによる代替可能性の高い職業」によると、今後20年で現在の47%の仕事が無くなると言われています。

さらに新型コロナウイルスの流行により、時代は加速度的に変化をしています。

これまでの当たり前の仕事も無くなっていく可能性があります。

今の時代において、行政書士に限らず安定した職業はほとんど無いと言えます。

モン
モン

コロナが落ち着いてもこの流れは変わらないでしょうね。

時代の変化を受け入れて自分自身も変化するべき

デジタル化の流れは、止めることはできません。

僕もメディア業界で働き、デジタル化による売上減少を悲観しながら、家に帰るとSpotifyやNetflixでデジタルメディアを楽しんでいました。

なぜなら便利だからです。

デジタル化の中で行政書士として生き抜くためには、時代の流れをしっかり受け入れて自分自身の価値観と行動を変化させていく必要があるのではないでしょうか。

地域ではなく全国を相手に仕事をする

全国で契約

行政書士は「町の法律家」といわれ、地域密着のイメージがあります。

しかし行政手続のオンライン化により、これまでより地域に限らず全国を対象にして仕事がしやすくなります。

その点においては行政手続の「脱ハンコ」の流れも追い風になります。

今後はネットを駆使して大手事務所に限らず、個人や小さい事務所でも全国を相手に仕事を受ける努力が必要になりそうです。

新しい分野にも積極的に取り組む

既存の仕事が減少していく中でも、新しい分野の業務も法律改正などに伴い増えていくことが考えられます。

最近ではドローン関係や民泊関係などの分野の業務も生まれています。

既存の業務や得意分野にこだわらず、新しい分野の業務にも積極的に取り組んでいく必要があります。

商品に付加価値を付与して、差別化をする

売り出す商品に付加価値を付与して、他社と差別化することも更に大事になります。

・相続業務にプラスして「遺品の買取」を行う
・補助金申請にプラスして「ホームページの作成」を行う など

行政書士としての業務をきっかけに、いかに依頼者に対してメリットを追加できるかが、リピーターの獲得や客単価向上に繋がります。

サービスの内容やSNSで個人のファンを増やす

デジタル化の波に打ち勝つためにはアナログの力も重要になります。

アナログの力=個人の信用です。

個人や小さい事務所だからこそ、一つ一つの案件を丁寧にアウターフォローまで行うことができます。

そして信用を高めて、口コミの広がりやリピーターの獲得に繋げるべきです。

またSNSやブログなどでも、自分自身をしっかりと発信していき、個人のファンを増やしていくことが非常に大事になると思います。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はAI技術の発達や行政手続のデジタル化により、行政書士の仕事はどうなっていくのかについて考察しました。

・今後、行政書士の既存の仕事は減少していく可能性が高い。
・個人や小さい事務所の行政書士は淘汰されていく。
・時代の流れを受け入れ自分自身が変化していくことが大事になる。

これからの時代は、どんな職業でも安定は保証されていません。

AIやデジタルに代替されない価値のある人間が今後必要とされる時代になると思います。

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