こんにちは、モンです。
1月27日(水)に令和2年度行政書士試験の結果発表がありました。
注目されていた合格率ですが、10.7%と、前年の11.5%から0.8%下がる結果になりました。
これから初めて受験を目指す方、リベンジで再挑戦をする方にとって令和3年度試験の難易度や傾向について非常に気になるところだと思います。
令和2年度の試験結果を受けて、傾向と対策は以下の通りです。
・若い世代が増え、受験生のレベルが上っている
・不景気が続くと、受験者が増えて合格率が下がる可能性が高い
・記述抜きで180点を目指す学習が必要である。
令和3年度試験を初めて受験する人、リベンジを目指している人の参考になればと思います。
令和2年度は合格率が上がる予想が多かったと思いますが、実際は下がりましたね。
令和2年度試験の結果概要
受験者数は増えたが、合格者数は増えなかった
令和2年度の受験者数は41,681人と前年から1,860人増えましたが、合格者数は4,470人と前年から101人の減少となりました。
受験者数の増加は、不景気によるところが大きいと思われます。
さらに新型コロナの影響もあり、将来の不安を感じる中で、国家資格の需要が高まったのではないでしょうか。
2008年のリーマンショックを受けて、2009年度の行政書士試験受験者数が、70,586人と2008年度の67,348人から3,238人も増加したという過去もあります。
不景気の影響で受験者数が増加する中、合格者数は大きく変わらない状況ががここ数年続いています。
おそらく合格者数を4,000〜5,000人程度に収めたいという、試験側の思惑があるのではないでしょうか。
行政手続のオンライン化の流れから見ても、今後行政書士の人数を大きく増やしていくことは考えにくいです。
令和3年度以降の合格率は、コロナの影響が続き受験者数が更に増加するようならば、合格率は更に下がることも予想されます。
20代、30代の受験者が増えている
令和2年度の受験者の年齢分布をみると、20代、30代の受験者が大きく増えています。
明確な理由は分かりませんが、不景気のなか独立志向の高まりの影響もありそうです。
年代別の合格率で比較すると
と、20代、30代の合格率は他の年代と比較してかなり高くなっています。
今後も若い世代の受験者が増えると、受験者全体のレベルが高くなることになります。
合格者の人数を一定に抑えるために、今後試験問題の難易度がさらに高まる可能性があります。
若い世代の受験者が増えるのは良いことですが、試験問題が難しくなると勉強が大変になりますね…。
令和2年度の試験の難易度はどうだったのか
では実際令和2年度の試験問題の難易度はどうだったのでしょうか。僕の獲得した点数は以下の状況です。
出題形式 | 科目 | 問題数 | 配点 | 僕の得点 | |
法 令 科 目 |
5肢択一式 (1問4点) |
基礎法学 | 2問 | 8点 | 4点(1/2) |
憲法 | 5問 | 20点 | 8点(2/5) | ||
行政法 | 19問 | 76点 | 64点(16/19) | ||
民法 | 9問 | 36点 | 28点(7/9) | ||
商法 | 5問 | 20点 | 12点(3/5) | ||
多肢選択式 (1問8点) |
憲法 | 1問 | 8点 | 8点 | |
行政法 | 2問 | 16点 | 16点 | ||
記述式 (1問20点) |
行政法 | 1問 | 20点 | 26点 | |
民法 | 2問 | 40点 | |||
一 般 知 識 |
5肢択一式 (1問4点) |
政治・経済・社会 | 7問 | 28点 | 24点(6/7) |
情報通信・ 個人情報保護 |
4問 | 16点 | 12点(3/4) | ||
文章理解 | 3問 | 12点 | 12点(3/3) | ||
合計 | 60問 | 300点 | 214点 |
記述抜きで188点、記述は26点、合計214点という結果でした。
LECの公開模試では4回受けて180点超えが1回だけだったので、本番で結果を出すことができて本当にホッとしました。
僕自身の感想と、各資格学校の所感、SNSの意見を総合すると、令和2年度試験の難易度は以下の通りです。
択一式の問題は比較的点数が取りやすかった?
択一式の問題は、憲法や民法で難問が含まれていましたが、行政法の難易度は普通、一般知識は比較的答えやすい問題も多く、商法もある程度学習できている人は2問以上は取れる問題でした。
全体としては、比較的点数が取りやすい択一式の問題だったと思います。
個人的には憲法の難化に一番驚きました。問題の意味からよく分からない!
記述は答えにくい問題ばかりだった?
今回の試験において、記述の難しさが一番話題になりました。
明確な回答をしにくい問題ばかりで、各専門学校の解答速報でも答えが割れるような状態でした。
問44では被告が「A県」なのか「本件組合」なのか、問45では「第三者詐欺」で答えるべきか、「錯誤」で答えるべきかで意見が割れました。
試験センターから案内された解答例と、僕の書いた解答を並べてみます。
被告は「本件組合」が正解でした。義務付け訴訟とか余計な事も書いています💧予想4点
「錯誤」ではなく「第三者詐欺」が正解でした。錯誤でも意味は通ると思うんですけど、僕は詐欺しか思いつきませんでした。予想16点
自分でも何が言いたいのかよく分かりません💧信義則という言葉で部分点があったかも。予想6点
問44の被告を「A県」とした解答、問45を「錯誤」とした解答は大幅に減点をされているようです。
やはり、択一式が比較的点数が取りやすかったことで、合格者数をある程度一定に抑えるため、記述の採点で部分点をあまり与えないなどの調整がされた可能性はあると思います。
令和3年度の試験の対策について
令和2年度の試験結果を受けて、令和3年度以降の試験の対策としていちばん大切なのは、
記述抜きで合格点180点を目指す学習をすること
これに尽きるのかなと思います。
記述の得点に頼らない必要がある
記述の採点基準は、その年によって変わります。
行政書士試験は得点基準をクリアしたら、全員合格する絶対評価の試験です。
そのため、記述の採点基準が、合格者数の調整に使われる可能性があります。
不確実な記述に頼らず、あくまで、択一式問題で合格点の180点を獲得することを前提とした学習が必要となります。
受験者のレベルが高くなっている
先述の通り、年々受験者のレベルが高くなっています。
つまり毎年合格者を一定数に抑えるためには、試験問題の難易度も年々高くなることになります。
難しくなる問題に対応していくためには、勉強の質を高める必要があります。
目標を記述抜き180点と、高く設定することにより、結果として合格が近づくかと思います。
商法も捨てずにしっかり勉強する必要がありますね。
記述を捨てていいというわけではない
記述問題の配点は60点もあります。
もちろん捨てるべきではありません。
記述対策は、とにかく多くの問題を解いて、問題と解答のキーワードを暗記することにつきます。
最初はなかなか答えを書けない時期が続きますが、くり返し問題を解いていくと少しずつ書けるようになります。
ただ記述対策は、択一式の学習がある程度進んだあとで充分だと思います。
僕は試験2ヶ月前頃から記述対策を始めました。
法令科目の知識がある程度定着していないと記述は全く答えられないからです。
試験勉強としては、まずは択一の知識をしっかり身につけることを優先すべきです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は、令和2年度行政書士試験の結果について総括した上で、令和3年度以降の難易度の予想、対策についてまとめました。
・若い世代が増え、受験生のレベルが上っている
・不景気が続くと、受験者が増えて合格率が下がる可能性が高い
・記述抜きで180点を目指す学習が必要である。
令和3年度の合格を目指す受験生の参考になれば幸いです。
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