こんにちは。モンです。
この記事を見られている方は、行政書士試験に興味があり、
行政書士試験ってどのぐらい難しいのかな…
宅建を合格したんだけど、次のステップは行政書士かしら
など考えられている方が多いのではないでしょうか。
僕は令和2年度の行政書士試験を受験して、なんとか合格することができました。
行政書士試験の難易度については、合格率が最近は10~15%程度、
宅建試験よりは難しいけど、社労士や司法書士よりは全然簡単、などよく言われています。
実際僕は、他の士業の試験は受けたことがないので、他士業との比較はできませんが、
法律初学者として1年の勉強で試験を受けた僕の結論は以下の通り。
今日は、令和2年度の行政書士試験を受験した僕が、
実際に感じた行政試験の難しさ、辛さについて話そうと思います。
つまりは「行政書士なんて簡単なんでしょ?」とかいう人に反論したいのです(笑)
試験範囲が広くて途方に暮れる
行政書士試験の各科目の問題数と配点はこんな感じです。
法律初学者としては、まずはこの試験範囲の広さに圧倒されます。
テキストを最初に1周するのに1か月以上かかり『これは試験までに間に合うのか?』と不安になったことを思い出します。
実際学習を進めていくと、重要な科目や論点が少しずつ見えてきて、効率的な学習方法に代わっていきます。
ただ学習を進めたら進めたで、自分の知識が表面的な知識であることに気づき、『こんな理解では全く足りない』と新しい不安が押し寄せてきます。
この不安は、試験当日まで解消されることはありませんでした。
民法は過去問学習からが本番
手続き関連中心の行政法は、初学者にとっては全くなじみが無い内容のためテキスト学習は暗記中心となり、非常に苦痛です。眠くなります。
ただし、実際の問題は比較的ひねりが無いこともありある程度対応しやすいです。
それに対して民法は、売買契約とか連帯債務など、実生活でもなじみのある内容が多く含まれているため、まだテキスト学習はとっつきやすい印象を持ちます。
ただし過去問学習に入ると、登場人物が3人、4人となり、状況も複雑化し、1問を解くのに苦戦を強いられることになります。
また、民法は1000条以上あり、テキストで取り扱われている条文はほんの一部です。
ある程度、テキストや過去問で取り組んだ内容の理解が進んだ状態で、LECの模試を受けたときに、全く理解していない論点が登場してきたときは非常に焦りました。
配偶者居住権などは模試を受けるまで全く知りませんでした。後でテキストを読み直してみると、条文だけ参考として記載されていましたが。
民法は最後まで苦手意識が消えなかったですね。とにかく範囲が広い!
憲法はテキスト学習が役に立たない?
1000条以上ある民法に対して、憲法は全部で100条ちょっとしかありません。
テキストの内容も条文の説明と、それにかかわる判例の紹介が中心です。過去問を解く限り、条文に関する問題は簡単で、あとは判例の知識で対応できるので難しい印象は受けませんでした。
ところが、実際の試験の結果は 5問中2問 しか正解できませんでした。
条文知識を問われる問題は全くなく、判例も、概要ではなくその論旨が問われていたり、条文の概念を問われるような問題が多く、全く対応できませんでした。
正直、憲法において、このような問題の傾向が続くのなら、テキスト学習や過去問演習はほとんど意味がないと思います。各予備校や出版社も対応はしてくると思いますが。
憲法が安定の得点源にならないのはきついですよね。過去問に比べて本当に難しかったです。
商法・会社法の学習に充てる時間をどうするか悩む
商法・会社法は出題が60問中5問であり、捨てるには勿体ない配点ですが、多く時間をかけて学習するには費用対効果が見合わない教科です。
特に、会社法は内容が難しいうえに、条文は1000条近くあります。
結論、僕は過去問の範囲に絞って学習しました。過去問の範囲の内容でも、非常に難しいため、範囲を広げるのは危険と判断したためです。
結果は 5問中3問正解となりました。
会社法に関しては正直拍子抜けするほど、基礎的な内容でした。
商法・会社法の難易度は年々変わるようですので、あくまで基礎的な内容に絞って勉強するしかないのではないでしょうか。
会社法を捨てるのは危険すぎますね。頻出分野(会社設立など)に絞って勉強が効率的かと思います。
一般知識の不安、どこまで勉強するか
一般知識は、14門中6問以上正解しないと全体で合格点に達していても足切り不合格となります。
比較的試験範囲が予想できる、個人情報保護・情報通信、国語力が問われる文章理解はある程度の対策ができますが、受験生の不安は8問も出題される政治・経済・社会です。
過去には、墓地及び死体の扱いに関する問題や、日本最南端の島の問題が出題されるなど、事前の対策は基本的に困難であるうえ、足切りというシステムもあり、大きな不安を抱えることになります。
政経社については、勉強は不要、政経社の勉強に充てる時間があるならば、情報通信や法令科目に充てた方がいいという声も聞かれます。
でも僕は実際政治・経済・社会の学習にそれなりに時間をかけました。
テキスト学習・過去問演習・模試の復習・本を読む(日経キーワードなど)Youtubeで高校生向け社会の動画もよく見ていました。
結果は8問中7問正解
事前に勉強した内容は1問たりとも出ませんでしたが、周辺知識が一部かすっていたことで選択肢を若干絞ることができた部分はあったかと思います。
勉強時間が限られている人は、政治経済社会に充てる時間は、他の法令科目等に当てた方がいいと思います。
普段からニュースや新聞等で世界情勢や政治・経済に興味をもって触れている人は、全く無勉強でもある程度対応できると思います。
僕のように、普段はGoogleニュースをチラ見する程度の人は、ある程度時間を作って、学習するのはありかと思います。
足切りの不安を頭に残したままだと他の勉強にも支障が出ます。
余裕があれば政治・経済・社会もしっかり対策を!試験に出ないとしても教養が身につくので損はしないです。
まとめ
今日は令和2年度の行政書士試験を受験した僕が、実際に感じた行政試験の難しさ、辛さについて話しました。
『行政書士は簡単な資格だ』『たいして役に立たない』などと言われるそうですが(僕の周りはそもそも「行政書士」って何?という感じですが)実際に、勉強して試験を受けた人間にしかわからない大変さってありますよね。
こんなに勉強しても、不安が消えないのは初めての経験でしたね。試験直前期の精神状態はかなりやばかった…
今後行政書士試験を受験される方の参考になれば幸いです。
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